日本を代表するフィギュアアーティスト、TOUMA氏とコラボレートした、
【アーティストMIX】『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』シリーズ。
デザインを担当されたTOUMA氏に、このプロジェクトの経緯など、お話しを伺いました!
--ホットトイズとの初のコラボレーションとなりますが、プロジェクトの経緯を教えてください。
昨年4月、ある仕事で香港に行くことになったんです。
香港に行くのであれば、元々大ファンであったホットトイズの
CEOであるホワードさんにお会いできないか?と考え、
さまざまな方にお願いをし、なんとか繋がったのがきっかけです。
今考えればかなり失礼なお願いですが、
「一緒にお仕事がしたいのでプレゼンさせてほしい」と申し上げたところ、
「ではメールをください」という話になったんですね。
帰国後に速攻で、大好きな作品『アベンジャーズ』をモチーフとした、
ホットトイズさんも、他メーカーもやっていなかった
フィギュアデザインの企画をまとめて、提案しました。
その後、4週間ほど経過し「あぁ、これはダメだったのかぁ」と落胆していた時、
「やりましょう」というご返答をいただけたんです。
僕にとって、ホットトイズさんと一緒に仕事をすることは夢だったので、
連絡を受けた時は、子供がいる前で嫁と抱き合ってしまうほど、喜びに打ち震えましたね...。
3案提出しましたが、その良い要素がピックアップされた形で、
今回のプロジェクトへと進んでいきました。
--今回のデザインで、こだわった点などを教えてください。
こだわった点は、「こだわりを持たなかったこと」かもしれません。
最初の提案では、自分のデザインの特徴でもある、末端を肥大させたデフォルメにしていましたが、
ホットトイズさんからの意見を取り入れ、今の形にブラッシュアップさせていきました。
もちろん自分のデザインを前面に出したいのはデザイナーとして当然ですが、
ホワードさんからの指示が的確で、「なるほど、ここはこういう意図で修正を入れてるんだ」
と思わず納得できるものだったんです。
そういった経緯もあり、ホワードさんに気に入ってもらえたものであれば、
絶対に良いものができると信じていました。
また今回やり取りさせていただいた中で、ホワードさんはかなり先まで見据えて、
そして明確な意思をもって製品を開発されているんだ、という印象を憶えました。
恐らく本シリーズすべてが揃った時の画が頭の中にあって、
その中で「デフォルメ」と「リアル」のバランス感を考えていらっしゃったんだと思います。
ちなみにフィギュアのサイズも、ホワードさんの指示です。
今こうして見てみると、手に収まる絶妙な大きさですよね。
--ホットトイズとのコラボだからこそ「出来た」部分はありますか?
このフィギュアは「矛盾」していると思うんです。
かわいく、シンプルでありながら、ディテールの部分は情報量が豊富ですよね。
自分がデザインした三面図だけでは、シンプルすぎるという指示もあり
沖縄で活動しているDOKUTOKU460の城間さんという方にCG製作をお願いし、
現在のような詳細なディテールを足してもらいました。
よくホワードさんは「ホットトイズ・クオリティー」とおっしゃられますが、
この矛盾した詳細なディテールが加味されたことによって、
そのクオリティーにまで持っていくことができたかな、と思っています。
ぜひじっくりとご覧になっていただきたいですね。
--デザインする上で、難しかった部分は?
映画本編の制作も並行して行われていたので、
キャラクターのデザインがまるっきり変更になった時など、
デザインを一から起こさなければならないため、ちょっと大変でしたね。
ですが元々マーベル作品が大好きですし、ホットトイズとの夢のコラボなので、
そんな大変だったことも含め、幸せになれる仕事でした。
--実際にデザインされたものが形になってみていかがですか?
カラーリングが1/6スケールのノウハウをそのまま踏襲していただいているので、
装甲のメタリック感など、ここでもシンプルと細かさの矛盾、
ある意味「化学反応」が起きているな、と感じました。
--最後にこのインタビューページをご覧の方々へ一言お願いします。
「え、ホットトイズらしくないじゃん」と邪険に思わずに、
まずはとにかく手に取ってみていただきたいです!
ホットトイズ・クオリティーに、おこがましいですが自分のエッセンスが加味された、
新たな層にアプローチができるアイテムに仕上がっている自信がありますから。
--TOUMAさん、ありがとうございました。
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TOUMA
日本を代表するフィギュアアーティスト。
ゲーム制作会社にてキャラクターデザインを学んだ後、 2001年よりフリーランスとして活動を開始。
オリジナルキャラクターや、 既存の作品キャラクターのリ・デザインなど、 その創作内容は多岐に渡る。
代表作として「ナックルベア」がある。
現在、日本、台湾、香港、シンガポール、アメリカなど グローバルに活動中。
TOUMART Inc. http://touma.biz/
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