荒牧伸志(あらまき しんじ)
映画監督 | |
生年月日:1960年生まれ | |
出身地:福岡県 |
フルCGアニメ業界をリードし続ける日本を代表する演出家・デザイナー。メカニカルデザイナーとして、『機甲創世記モスピーダ』(83)や『メガゾーン23』(85?91)、『ガサラキ』(98)、『機動戦士ガンダム MS IGLOO』(04~06)などを手がけ、04年に公開されたモーションキャプチャーを用いたフル3DCG作品『APPLESEED アップルシード』を監督。その続編『エクスマキナ』(07)では、彼の映像世界に感銘を受けた『M:i-2』のジョン・ウー監督がプロデューサーとして名乗りをあげた。さらにハリウッドから抜擢され『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』(12)でも監督を務めるなど、そのスタイルは国内外に強い影響力を持つ。
ホットトイズファンやコレクターに熱く語っていただく「HOTな有名人」。今回は特別番外編として、『キャプテンハーロック』の監督を務められた荒牧伸志さんに、ホットトイズの【ムービー・マスターピース】キャプテンハーロックのプロトタイプをご覧いただきつつ、お話を伺いました。
発表後、話題を呼んでいる映画『キャプテンハーロック』の「ムービー・マスターピース」ですが、どのような経緯でフィギュア化に至ったのでしょうか?
2009年末ごろだったと思いますが、日本オフィスCEOのフランクさんに「フィギュア映えする作品があるんだけど、いかがですか?」とプレゼンをしたのが始まりです。実は裏では、「1/6スケールはホットトイズさんで立体化してもらいたい」と東映アニメーションさんにもお願いしてありました。2007年に公開した『エクスマキナ』からのお付き合いがあったので、その出来栄えに対する絶対的な信頼はありましたし。…ですが、ホットトイズが立体化したハーロックを見てみたかった、というのが本音です。私自身ファンであるところも大きいですね(笑)。
今回の映画『キャプテンハーロック』は、「リアルなCG」が売りのひとつとなっていますが、キャラクターデザインなど、こだわられた点はありますか?
心の中ではホットトイズさんに1/6スケール化してもらうことを前提として企画をしたので、キャラクターのデザインも、それを意識して進めていきました。そのため各キャラクターのビジュアルも、自然と情報量が多く密度が濃いものになったわけです。
「実写以上の情報量を含めることで、さらにディテールが細かいフィギュアが生まれる」というのが、『エクスマキナ』立体化の時に手応えとしてあったので、たとえば胸回りのファスナーなど金属素材や、革の質感や汚れ具合など、細部に至るまでこだわって製作していきました。
実際にハーロックのプロトタイプをご覧になってみて、いかがですか?
やはりフィギュア化を常に意識していたので、身体まわりは「狙い通り」というところがあります。しかしヘッドを拝見して、ビックリしてしまいました。想像以上の出来です。髪の毛の丁寧な造り込みや、憂いた表情、生々しい傷口の造形もさることながら、今回のハーロックの肝と言っても過言ではない「眼」が素晴らしいですね。心に抱える苦悩などが、眼で表現されていると思います。ず~っと眺めていても、まったく見飽きないです。なんだか、ドキドキしてしまいますね。
もう正直、CGデザインを超えた出来栄えだと思います。CGでデザインしてもやはり2次元の世界だから実際に触ることはできません。なので、このように形になると本当に嬉しいですね。…もうこのサンプルを置いて行ってほしいぐらいです(笑)。